小説と映画とロックンロール

結局、去年に書いたブログは一つだけだった。困ったものだ。もう少し、今年は頑張りたい。

 

1、小説について。

 高校生の頃、クラスの誰よりも早く教室に着いていた。朝の教室の雰囲気が本当に好きだったのだ。たったそれだけの理由で片道6、7kmの道をチャリでかっ飛ばしていた。夏は制服が肌にピッタピタに吸い付くくらいの汗を掻いた。冬はまだ陽が昇る前からチャリを漕ぎ出していた。そうまでして一人の教室を味わいたかったのだった。

 一人の教室には喧騒が始まる前の独特な静寂がいつもあった。それをどうするわけでもなく机に突っ伏して寝ていたりした。本当にただそれだけで良かった。時々、本当に時々だけれど終わらなかった課題をやることがあった。その時は自分一人で喧騒を作り出していた。主に英語の課題に。

そんな朝が続いていたある日の事だ。何を思ったのかその前の週末に図書館に行った。今思い出してみてもどうしてあの時に図書館に行ったのかは分からないし、思い出せない。そこで本を借りたのだった。

 芥川龍之介の「侏儒の言葉」ともう一冊が高橋源一郎の「ジョン・レノン対火星人」だった。芥川龍之介の本は高校の国語の教科担当に教えてもらった本だった。その教科担当が言うには「便所で読むもいいし、エロ本を読みながらグータラした昼下がりに読むにはもってこいの本だ。」と言われ、読みたくなったのだった。もう一冊の「ジョン・レノン対火星人」はザ・ビートルズを聴くのに少しだけハマっていてタイトルを見て、「そうか、ジョン・レノンは戦争に反対をしていたけど火星人と戦っていたのか。それは知らなかった。」と思い借りてみた。それでも、この二冊の本が自分の人生の進み方を教えてくれる事になるとはその時は思ってもみなかった。

 

続く。