好きなことについて

 小説だのという前に、リハビリと言わんばかりな自分のことを書こうと思う。

 まず、好きな音楽の話。一番最初にこの音楽いい!って素直に思わされたのは、高校生の時だったと思う。高校時代、放送部に入部していた僕はそこの先輩に二枚のCDを渡された。その二枚が銀杏BOYZだった。まず、その二枚はオリジナルからコピーしたCDだったのだけれど、その真っ白な円盤にはそれぞれのアルバムのタイトルが書いてあった。「ドアーズ」と「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」と書かれていた。(確か本当のジャケットはドアーズの方が様々な写真のコラージュ風なデザインで、君と僕の〜の方が江口寿史さんが描かれた綺麗な女の子だったはず。)明らかに割ったようなCDをいきなり手渡されて困惑したけれど、それをそのまま家に持ち帰ってUSB型のウォークマンにデータを入れて聴いた時の驚きは今でも忘れられない。何をどう受け取っても青臭過ぎる自分が居た。絶対に居た。今でもそれは変わってない。ことあるごとに辛い時はあの二枚のアルバムを聴いている。

 ただ、そんな青春パンクにどっぷり浸かっていたというありがちな音楽の話だけではない。僕にはどうしても思い入れのある一曲がある。それはアイズレー・ブラザーズのshout!という曲だ。ザ・ビートルズのtwist and shoutという曲を知っている人も多いことだろう。元々はその曲はアイズレー・ブラザーズのカバーで僕もそれを知るまでは恥ずかしい話、ビートルズのオリジナルだと思っていた。そんなアイズレー・ブラザーズが作ったshout!という曲が僕は大好きだ。何も物事は進みはしないし、後退するわけでもない。だけど、その地点からは動きたくない。ずっと、そこに居たくなるような感じがするのだった。有名な名言でザ・フーのギタリストでピート・タウンゼントがこんなことを言っている。「ロックンロールは、別に俺たちを苦悩から解放してもくれないし逃避させてもくれない。 ただ、悩んだまま躍らせるんだ。」まさにそんなことを体現したかのような曲なのだ。ジャンルはロックンロールではなく、ソウルに入るのだと思うけれど。