サイダーにきゅうり

 その昔、とある黒い砂糖水を作るとあるメーカー(あそこか、あそこしかない)が夏季限定のあじとしてきゅうり味の砂糖水を販売したことを唐突に思い出した。色は透き通った緑でよく言えばメロンソーダみたいだった。ただ、味はメロンでもソーダでもなく、炭酸をよく効かしたきゅうりの味だった。正直言って、好き嫌いがはっきり分かれる味だった。飲んで脳内で想像したのはめちゃくちゃ瑞々しいきゅうりがパキッと音を立てて折れるそんなイメージだった。一本飲んで、美味しくはないなと思っていた。が、しかしといいたい程のが、しかしがあった。また飲みたくなっている自分がいた。徐に自販機、スーパーでその商品を探してしまっていた。そんな夏が好きだった。確か中学三年生の時だ。

 この暑さのせいでこんなくだらないことしか思い出せなかった。だけど、普遍的な夏っていいもんです。ちなみに僕の夏のBGMはザ・ハイロウズナンバーガールです。それと思い出としての白いワンピースのあの子のこととか。(なんて書いてこれは寺山修司の短歌からのインスパイアです。)あとは、オタク的なことは夏っぽさがある気がします。オタク的なことなのでオタクの人々からは忌み嫌われそうですが、それを思ったのがジェルミ・クラインというスケートボーダーが作った「Hook ups」というブランドの紹介画像。ストリートファイター春麗みたいなコスプレをしたアジア人が、赤いチェックシャツを着て自転車に乗ってる白人にフライングキックをかましてる物なんですが、雰囲気がたまりません。それになぜだか、僕は強烈に夏の迫りを感じました。